法人向けの無線LAN設置については一般に販売されている無線LANルータをただ設置するだけでは十分ではないことが多いです。1つめは通信エリアです。建物が複雑な構造であったり、部署ごとに設置する場合などでは無駄に通信エリアが広すぎてもセキュリティ的によくありませんし、エイアが狭ければ意味がありません。適切な通信エリアが重要となります。2つめはセキュリティとID管理です。繋げられる機種を限定する、IDを適切に配布するために各種ソフトウェアも導入して簡単で強固なネットワークを作る試みが進められています。各設置業者も工夫をこらし、管理を楽にするシステムを提案してきています。企業の規模や設置台数によって変わってくるので適切な選択が重要となります。
無線LANの通信エリアについて
法人向けの無線LANでもっとも重要視されてきたのが通信エリアです。無線LANと言えば単に広い通信エリアがあればいいと考えられがちですが、広すぎる通信エリアは害となる場合も少なくありません。通信エリアが広いと暗号解読の恐れが出てきますし、ID等が漏れた場合に被害が一気に広がる恐れがあります。可能な限り狭く、必要な箇所だけに電波が届くようにしたいものです。各測定機器も開発されてきており、エリアは極力狭くできるようになってきています。また、逆に工場や学校などのように法人でも通信エリアが広い場合もあります。その場合は拡張機器も導入され通信エリアの強化が行われます。また、各種電波の障害となる機器も多数ありますのでそれぞれの特性に合わせた電波の設定を行うことになります。
無線LANのセキュリティについて
法人、個人利用問わず無線LANのセキュリティは重要ですが、接続台数が多い法人向けはさらに強化されたセキュリティ技術が導入されます。その一つがIDとマックアドレスなどの一元管理です。法人向けの場合、複数のアクセスポイントを横断的に利用する場合も少なくありません。その際、ID管理については一元管理されることになりますが、定期的なパスワード変更機能などセキュリティを強化するための各種機能が追加されます。また、マックアドレス以外での接続もゲストアカウントでの接続が可能にするなど法人ごとの事情にも柔軟に合わせられるようにシステム化されることが多いです。セキュリティについては暗号化も重要ですが、WPA2を利用することで比較的コストもかけずに可能となってきています。